ラインナップ No.3

スーパーOJ クラシック シリーズ第2弾

国鉄C12
足尾線 49号機舞鶴線 60号機 
中央線(上諏訪)66号機 高森線 241号機
只今発売中
価格¥388,500




ムサシノモデルのOJ国鉄制式機シリーズ第2弾、C12をご紹介します。ご好評頂いたC56、現在製作中のB−6を含めこの3つのモデルは手軽に走らせられる事を目的とした企画で何れも半径960〜980mmで走行可能です。ロッドの鞭を打つようなしなやかな動き、生き物のようなスロー走行時の微 速前進は真にファイン走行と呼べるものです。モーガル機C56と比べC12では一軸従台車が有る事でイコライザーの掛り方がまったく異なります。16番では全然問題のない箇所ですがOJでは全て実物通り再現するので結構大変で実物図面と首ッぴきで格闘を演じることになります。実物との違いは蒸気で走るか、電気で走るかだけで他の構造は実機そのまま写し取って模型化致しております。寸法的にまったくディフォルメを施さずスケールダウンしておりますので当然の事としてプロポーションはほぼ完璧に再現できておりゲージを超えてC12の最高作を作ると云う当店の目標は達成されました。まだまだ写真の腕が未熟で模型の良さの半分も写し取れませんがこのモデルには確かにゾクっとさせる色気、魅力が有ります。
 さてC12の活躍した線区は多々有りますがまず雄大な阿蘇の景色と云う大舞台を行く高森線のC12を模型化する事を一番最初に決めました。ここのC12は九州独特の装備が大変魅力的です。高森駅に保存されている
241号機はC12後期型の特徴も加味され模型化には持ってこいのスタイルです。高いコールバンカーとその背面にセッティングされたホーン・スピーカーのようなバック運転時におけるキャブ内への空気取り入れ口、炭庫内のATS制御装置取付部の出っ張り。当然キャブ内も構造が異なる訳です・・・の楽しみ。ブレーキ弁脚台はカヴァー付タイプ。一つネックは動輪が水かきスポークである事。ウーン、メーカーと鼻突き合わせての相談をしなければなりません。ちなみに高森線の前には鹿児島におり指宿線で活躍しています。二つ目は東京に近いローカル線での活躍と云う事でこれ又有名な足尾線のC12と致しました。桐生の49号機は大変手入れが行き届いており、宇都宮のEF57同様現役機の風情に大変魅了されました。きっと心有る人々に支えられていると思われます。ここまではスンナリ決まりましたがこの先で少し悩みました。一つ印象に残るシーンとして有名な松川線の情景、東北のひなびた田園風景の中、往年の優等客車スハニ35 1輌を牽いて行く姿はC12に最も似合う心象風景と云って良いのではないでしょうか。その縁あって60号機は今は廃線になったこの路線の沿線に保存の為、遥々関西地区から持って来たもの。舞鶴線など関西方面で活躍した罐です。保存状態がこれまた大変良くキャブ内までほぼ完璧に残されておりました。そのスタイルがまた見事な程極めてオーソドックスなC12で今まで16番で模型化されてきた何の変哲もない普通のC12といった風情が「ウーンこれならスハニ35をバック運転で牽かせても絵になるわい」と3つ目に決定。もう一つは中央線、長野方面に多くいた中より一つと考えて奈良井宿に保存のデフ付き199号機(木曽福島)、茅野駅前の67号機(上諏訪中津川、明知線)と取材を重ねましたがやはりC12にデフレクタはまったく似合わないという事で199号機はオミット(もし、これがどうしてもほしいという方がいらっしゃって、メーカーが納得する最小ロッドに達するならば、ぜひ模型化したいですね!)。そこで真岡の動態復活保存機66号機が67号機と共に現役時代上諏訪におり、そのスタイルが酷似していることから信州のC12としては66号機が良いのではないかという事となりました。その昔は青森黒石線でもミキスト・トレインを牽いていたそうで上諏訪に移ってからは飯山線でスキー列車を牽いたりC56と共に活躍した事もあり、四つ目はこれに決定しました。サイドタンク上に付いたオイルポンプ箱を是非再現したいところです。いずれにしてもどの号機も入換専用と云う事でなく美しい日本の風景が残るローカル線での列車牽引に活躍した面々を揃えました。サンプルモデルは49号機。


前部及び後部カプラーはナックル可動式でケーディーと連結可。後部カプラーはケーディーと交換可能です。モーターはファウルハーベル2338S。イコライザーは実物を忠実に再現。リーフ・スプリングも可動。集電はシリンダー方式の集電ブラシを両絶動輪のタイヤ表側に当てる方式。煙室扉開閉、ラジアス・ロッド前進・後進時の自動切換え、リュブリケーター及びスピートメーター可動。煙室内部、キャブインテリア、炭庫内部、下廻りと構造的にも実物に忠実に再現した上スーパーディテールを施しております。ヘッドライト、テールライト、キャブ室内灯点燈。

誠に勝手ながら御注文は12月10日(土)頃までに注文書をFAXで送って頂くか、或いはメール、電話でご連絡頂ければと存じます。宜しくお願い申し上げます。

 

C12 49号機 足尾線(桐生機関区〜高崎第一)
昭和9年川車製。桐生に新製配置されて以来、昭和43年の廃車まで足尾線を離れる事なく真に生え抜きのカマ。コールバンカー低。


C12 60号機 舞鶴線(西舞鶴機関区
昭和9年汽車製。C12には珍しく関西で活躍。舞鶴とその周辺で活躍。オリジナルの形態を守った美しいカマ。コールバンカー低。

C56 66号機 (上諏訪機関区)
昭和8年日立製、中央線沿線には多くのC12が入換等で配置されていたが上諏訪の66号機は飯山線等にも貸し出されたりしている。真岡鉄道での動態復活で人気。コールバンカー高。

C56 241号機 (熊本機関区)
昭和15年日立製。九州で最後まで活躍したC12が高森線の241号機。コールバンカー廻りのディテールが九州独特の魅力。コールバンカー高。


落ち着いた日本型の蒸気機関車



公式側の美しいバルブギヤーを見る。リュブリケーターロッド可動。









キャブ下の密集したパイピング。イコライザーへのオイルカップに注目。









パイピングの太さのバランスもOJならでは

49号機は配電線が非公式側ボイラーに取り付けられている。

天窓開閉式。

コールバンカー。高低作り分け。サンプルは低いタイプ





キャブ室内灯が点燈します。







フレーム、灰箱、イコライザー、従台車と実物同様に再現。


2005年10月16日 OJ C12 経過報告 その1
 
C12は既にサンプルチェックも終了。80ケ所に及ぶ修正ポイントのミーティングを10月6日にアートホビーにて行いました。各部ディテール・アップ、不正確な部分の修正、改良。走行上、組立上の注意点、重要なポイントをお互いに納得のいく話し合いが出来ました。そして10月14日、60号機、66号機、241号機のGOD総組立て図がアートホビーより送られて来ました。来週一週間はこの図面と大格闘を演じなければなりません。それにしてもこのC12の模型化図面はアートホビーの主任設計者チェ ウジン氏の面目躍如、私共でほとんど天才と呼ばれているその至技を惜しげもなく披露してくれています。ウォォォ〜!C57、C58、C55、C59、D51とこんな事やっていたら身体が持ちません。今日本型蒸気機関車模型の設計で彼の右に出るものはいないと断言できます。今回はその秘密の一端をほんの少し特別にご紹介しちゃいましょう。尚同じ10月6日にはFMモデルにてB6 3種類の最終図面チェックを行なっております。こちらも見事にフォーカスされており期待が高まります。


 
   49号機                    60号機

     66号機            241号機

全体図より非公式側側面のシリンダーを中心にした部分をご覧頂きます。
砂撒き管、コンプレッサー排気管、オイル配管など設計者のリミッターが壊れてしまった様子がうかがえます。「俺はクレージーだ」と云う設計者本人の言葉が良く理解できます。デッキ部へ伸びる配電線の差異にも注目です。尚66号機のヘッドライトはLP405シールドビームになります。
注これは実物図面ではありません。模型化図面です。


      49号機            60号機

      66号機                    241号機
全体図よりコールバンカー後部を抜き出しました。コールバンカーの高低、キャブ後妻丸窓の有無が大きな相違点ですが配電線の這わせ方一つとして同じ物がありません。又241号機では九州のカマ独特の魅力満載です。

    49号機            60号機


     66号機            241号機
サイドタンク上部のディテールの相違をご覧下さい。66号機ではキャブ寄の逆転器の切り欠き部にカバーがあります。水口廻りのディテールや吊金具、66号機の滑り止めステップなど結構な差異があります。