ラインナップ NO.63、64                             2015.1.18
マイナーな車輌でも全力投球で!
DD41/90、DD12

ムサシノモデルでは現在DD51初期グループの2月出荷を準備中です。後期型は4月発売予定でおりますが国鉄のディーゼル機関車、次の企画が早くもそれも2形式進行中です。今度の企画はDD51から一変してマイナー、ゲテモノ、異端児、進駐軍、ド派手がキーワード。一つは東芝が1954年7月に製造したDD41。一般に国鉄試作機関車と呼ばれるグループの一員。当店では今までにDD42、DD91、DF90を発売してまいりましたが今回のDD41、白と赤(深紅)の塗り分けでボンネットに大きなフェーザー(翼)マークのカラースキムで今見ても度胆を抜かれるド派手な出で立ちで登場しました(タイプ1)。更に少し手を加えられ1956年5月国鉄に借り入れられ大宮で9600やD51に囲まれて使用されるようになると白から銀へと色が変更され銀と赤の塗り分けとなります(タイプ2)。1958年11月、晴れて国鉄からお買い上げとなりしばらくすると今度はディーゼル機関車標準色、ぶどう2号とイエローラインの塗り分けとなります。1962年DD90へと形式変更後少し後屋根にランニングボードが取り付けられそれに伴い手摺りが増設され又ボンネットのキャブ寄りに雨樋が設置されディテール的には最終形態となっています(タイプ3)。この後(1964~1965年頃?)新しいディーゼル機関車標準色オレンジ、グレー、ホワイトを使用したキャブ前面、ボンネット側共愛嬌のある金太郎の塗り分けとなっています(タイプ4)。廃車は意外と長生きして1975年です。
 当店得意の「マイナーな車輌をスーパーフルディテールで製作する」と云うパターンで、国鉄の制式機同様の追求度で仕事を進めております。大きな運転室はフル・キャブインテリア付となります。タイプ3ぶどう色2号号塗色バージョンではキャブ側窓を全開した姿で製作します。全体のプロポーションも実機資料を元に台車等も含め完璧です。又翼マーク、金太郎塗りの塗色と塗装も艶具合、発色、色味、塗り分けラインの切れ味とこのモデルに独特の風格と美しさを与えてくれる筈です。乞うご期待下さい。


DD41/90 上図の通りまさにフル・キャブインテリア装備となります。


タイプ4 DD90でユーモラスなキャブ前面の金太郎塗り分け

二つ目はDD12、言わずと知れた戦後直ぐアメリカ進駐軍が持ち込んだGE製47t電気式ディーゼル機関車です。日本でまともに使用する事が出来てたディーゼル機関車は実にDD12が最初でそれ以前の試作的ディーゼル機関車はどれもまともに走らず使い物にならなかったと云う歴史があります。後にDD11登場後に国鉄籍に入ったのでDD12とナンバリングされています。
US Army時代は東京、横浜を中心にB6等と同じ使われ方をしたと推測されます。山手線内での写真や汐留から築地への引き込み線で活躍する様子が伺えます。DD12となってからは後続部隊DD13の大量増備により横須賀線を中心としたエリアでの使用となり久里浜機関支区を根城としている。ED17-24号機との2ショット等は多くの2軸貨車と共に中々魅力溢れる一コマです。
このモデルもプロポーションを正確に再現。アメリカ製らしい小さいながらまったりとした重量感(M4シャーマンみたいな)を持ったモデルとなります。キャブ・インテリアはモーターが中央にセットされるのでフル・キャブインテリアとはいきませんがモーターを取り囲むようにインテリアを配置していきます。
タイプはやはり4バージョンとなります。さすがに進駐軍が戦後直ぐの持ち込んだスタイルはオミットして1950年前後のスタイルのUS Army黒塗色バージョン8587、8588(タイプ1)。この後8輌あった同型機の内5輌が国鉄、2輌が名鉄、1輌が八幡製鉄所に編入されている。国鉄籍編入後DD12となって旧ディーゼル標準色のぶどう色2号に黄色帯をあしらった2,5号機(タイプ2)、更に国鉄ディーゼル機関車も新標準塗装(グレイ、オレンジ、ホワイト)となりATSアンテナが取り付け開放テコ受けが長いタイプに変更されてからの姿で形態の違いにより3,4号機(タイプ3)、1号機(タイプ4)を作り分け致します。廃車は1972(昭和47)年7月となっています。

DD41/90、DD12を製品化するに当たり模型として最も重要な点、走りの質に対するこだわり・・・・・、残念ながら今の時代このクラスの価格帯のモデルに1個8000円~10000円もする小型強力なコアレスモーターを搭載する事は価格的に難しいと云わざるをえなくなりました。その為使用モーターはスペシャルオーダーによるキャノンCN16両軸モーターとなります。これでも価格的に一般的なEN22より少し高価となります。これにフライホイールを取り付けシリコン・チューブによりATMスタイルのダイキャスト製ギヤーボックスと結びます。集電は当然全軸集電となり片側の集電ブラシにはベリリウム銅を使用致します。何れにしても現在考えられる最高の製品をご提供させて頂きます。


DD12下廻り 動力関係の図面

製造担当はOJ C62を製造したアートホビーズ社となります。